252. ノベライズ作品のルビ(マンガのルビとは違う)
- 2020年06月16日
- 組版・DTP
人気マンガのノベライズ作品(『少年ジャンプ』と同じ千代田区の版元)を読んでみると、ルビが一般的な小説と同様の伝統的な付け方になっているように見えました。「柱(ちゅう)」のルビでは、“小書きのかな”は使われず、拗音が大きい「ゆ」となっていました。基本は肩ツキ・モノルビ、または熟語ルビです。(ちなみに、マンガの方のルビは、文字サイズがナミ字の部分で、中ツキ・モノルビ・小書きのかな使用、でした。)
ルビが付く漢字も登場人物名と読むのが難しい漢字が中心で、全体的にルビが少なめです。総ルビのマンガは読める「キメツ好き」の小学校低学年生がノベライズ作品を読むのは厳しいかな、という印象でした。マンガの方は情報量が多過ぎてなかなか読み進めないのに、小説という慣れ親しんだ形式だと、とても読みやすく感じました。一部、不統一なルビの付き方も、まったく気にないくらいに。
~おまけ~
『片羽の蝶』より、熟字訓・当て字の採集です。
◆グループルビ
◆なぜか肩ツキ
肩ツキのルビが基本だと、当て字・熟字訓のグループルビが、中ツキのような配置になり、区別が必要です(中ツキのルビを基本とすれば、グループルビと中ツキルビが同じ配置になるものもありますね)。
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