271. 字形にこだわるためのJIS漢字の知識
- 2021年03月22日
- 未分類
東京・京王線「笹塚駅の「塚」の字に「余計な点」があるワケ」(2021/03/15)というニュースに反応しました。そういえば、この塚に“ヽ”が付く字形、昔はさんざん見かけたのに、最近はトントお見掛けしないなー。どうしてだっけ(たまに調べてみないと字形関係の知識が錆びつきます)。
試しに、Windows 10のWordで、塚にいくつかの日本語フォントを当ててみても、“ヽ”は付きません(1つだけ、中国語フォントSimHeiは“ヽ”の付く塚でした)。
そんな時は、「JIS 漢字 字形」で検索して、「JIS X 0208およびJIS X 0213の字形・字体の変更点」一覧表のお世話になります。
“ヽ”が付く塚は、JIS78字形だけです。JIS90字形・JIS2004字形となっている、今どきのフォントでは見かけないのも当然ですね。
DTPでは、OpenTypeフォントにJIS78字形もあるはずなので、字形切り替えで“ヽ”付きの塚とすることは可能です。
~おまけ~
JIS83改正では、多くの漢字の字形が変更されました。その中には、常用漢字表(1981年)で採用されている新字体の略し方を、常用漢字表にない漢字にも及ぼした〔亞を亜にしたので、啞(口+亞)も唖(口+亜)にした〕もの、拡張新字体と呼ばれたものがありました。
その後、JIS2004でJIS78字形が復活となった漢字の一つに、葛飾区・葛藤の「葛」があります。組版の現場の葛〇さんは、正しくは中が“ヒ”の字形ですが、Wordなどでは古いフォント(TrueType等)を選ばないと、表示・印字ができません※。
※MS明朝、游明朝などのフォントでは、IMEパッドを使って異体字「ヒの葛」の入力が可能です。(Windows10)
(「JIS X 0208およびJIS X 0213の字形・字体の変更点」CyberLibrarianより)
あわせて読みたい
Copyright secured by Digiprove © 2021※このコラムおよび、コラム中の文章、画像、動画の無断転載および複製等の行為はご遠慮ください。