191.組版の校正でつけたい習慣


引き合わせ校正

何十年と同じ仕事をしていてもまだ改善する余地は多々ありそうです。というより、視力や集中力等が経年劣化してくる分を、新たな工夫で補わななければ、現状維持さえも難しいかもしれません。

◆前提

人間は集中力が途切れが(目“すべる、という言い方もあるようです。脳は見たいものしか見ていない、とも言われています。ここ二十数年では、テキストデータ支給での組版が主流になっていることもあり、1文字1文字を確実に見ていくのではなく、1行1行をスルスル・高速で校正するクセがついています。約物や記号等の和文・欧文の違いや、指示どおり上付き・下付き文字にしているか、文字化けがないか等を探していく作業が多くなっています。ただし、手書きの赤字の引き合わせ校正では、1字1字を確実にチェックするモードにチェンジしなければなりません。

修正が少ない時ほど、注意が必要でアオリ検査を併用すると、ミスや組版上の不備を発見しやすいときも“間違えを見つけた直後で、見落としが多くなると、昔スクールで教わったとおり、その部分を見直すと案の定、ということもあります。

「注意が必要と言うだけでは、ミスを減らし品質を上げる効果は期待できません。何か、習慣とする行(駅員さんがホームで行“指さし確認のような;下記の下線部のような行動をクセにして、意識を呼び起こすことが必要かもしれません。

◆よい品質の校正とするために「つけたい習慣を4つあげてみます。

1行1行、1字1字を細かく見る原稿・赤字との引き合わせ校正とは別に、肩の力を抜いてザっと見る校正、の計2回を行う。視点を変えて見ることで、違った景色が見えてきます。どのくらいの力かげんで“ザっと見るのかは仕事によって調整します。また、先にザっとか、後にザっとかは、それぞれの好みです。

校正の途中で、字形や約物の不統一等の不具合に気がついたときは、他にも同じ不具合があるかどうか、前のページに戻って、そのポイントのみに集中して見直すと、直しが必要な所がさらに見つかるものです。

これは何だろう?!と思う不具合は(身近にいて、聞けるのであれば作業者にその理由を問うてみる。なぜその不具合が起きているのか原因が分かれば、他の部分で同様の間違いがある部分を見つけやすくなる。

赤字の引き合わせ校正の際には(許されるのならチェック済みのゲラの赤字の箇所に、左手に持ったダーマト等で、チェックマークをつけながら、ひとつひとつに見落としがないように校正する『本のエンドロール(講談社、2018年ができるまで、というドキュメンタリー動画の、内校の場面ではそのようにしていました。

このような習慣をつけることで、時間にせかされているとき、効率思考になっているときにも、より堅実な校正作業となる、とよいのですが。

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